『面談日程調整エクセルv1』
1.目的
面談日程調整を簡潔に行うためのエクセルファイルです。
文部科学省からは、Webアンケート機能による面談調整のオンライン化が推奨されています。
引用元:
文部科学省『全国の学校における働き方改革事例集』
P.63「面談調整のオンライン化」
https://www.mext.go.jp/content/20210330-mxt_kouhou01-100002245_1.pdf
文部科学省『StuDX Style』
「4-③ 個人懇談日程の希望調査をオンライン化」
https://www.mext.go.jp/studxstyle/school-home/2.html
ただ、「削減時間が1.0時間/年」との表記や回答集計結果の画像が気になります。
年で1時間くらいなら効果が薄いのではないでしょうか。
集計した結果はどのように加工すればよいのでしょうか。
実際、面談日程を決めるにあたって手間がかかるのは、回収ではなく調整です。
配布・回収は改善されても、調整が改善されないと物足りないと感じました。
そこで、面談日程調整を簡潔に行うためのエクセルを作成しました。
2.事前準備 ※はじめに一度だけ取り組みます。
① 回答フォームを作ります。
② 回答フォームを配布します。
フォームリンクの配布方法は学校の実態によります。
なお、文部科学省『StuDX Style』内のアドバイザーのコメントに「しばらくしても回答のない方には再度連絡することや、紙媒体でも配布して、回答を促すことも運用初期には必要であると考えます。」とあります。同僚の先生とも相談をして、最適な方法をとるようにしてください。
(補足)以下の通りに回答を収集・保護する方法を管理することをおすすめします。
ア.フォームの編集画面から「設定」タブを選択します。
イ.[回答]の折りたたみを開きます。
ウ.「メールアドレスを収集する」をONにします。
エ.「回答のコピーを回答者に送信」で【常に表示】を選択します。
オ.「回答の編集を許可する」をONにします。
カ.「回答を1回に制限する」をONにします。
2重回答やなりすましによるトラブルを未然に防ぐことができます。
③ 回答をダウンロードします。
フォームの編集画面から「回答」タブを選択してスプレッドシートのアイコンをクリックすると、回答を表示させることができます。
④ 回答データをエクセルへ転記します。
ア.Googleスプレッドシートの回答を全選択コピーします。
イ.『面談日程調整エクセル.xlsm』を開き[回答貼付]シートのA1セルに値の貼り付けします。
事前設定は以上です。
次に実行方法を説明します。
3.実行
① [設定]シートに転記します。
ア.「開始時間」を[設定]シートA列に転記します。
イ.「実施日」を[設定]シート1行に転記します。
フォームの設問とまったく同じ文字列になるようにしてください。
② 調整枠
[処理1]回答から調整枠を作成するをクリックします。
すると[処理]シートに調整枠が作成されます。
③ 固定コマ
[設定1]ある生徒のコマを固定させる(兄弟姉妹など)をクリックします。
固定させたいコマに半角英字[p](ピー)を入力します。pは動きません。
兄弟姉妹がいるご家庭には、保護者の負担を減らすために前後させるように日程調整をすることがあります。
事前に[p]を入れておくと、抽選時も固定されます。
④ 面談不可時間帯
出張などにより、面談不可となる時間帯があるときには、そのコマの列全体に半角英字[x](エックス)を入力します。
⑤ 日程表(仮)
「固定コマ」と「面談不可時間帯」をすべて設定し終えたら、次は抽選過程に進みます。
[処理2a]日程表仮完成(ランダム)か[処理2b]日程表仮完成(だいたい番号順)のいずれかをクリックします。
すると、マクロが実行されて自動割り振りされます。
従来であれば、手作業で一人ずつ確認しながら行っていた業務かと思いますが、たった数秒で完成します。
※[処理2b]だいたい番号順では、条件が厳しすぎると重複コマが発生します。事前に日程が厳しい生徒のコマに[p]を入力して固定することをおすすめします。また、後のステップで調整することもできます。
日程表(仮)の完成です。
ランダムで割り振るため、担任にとってスムーズに面談を実施できる日程になっている可能性は低いです。
生徒や保護者との面談を具体的にイメージして、次の手順にて微調整しましょう。
たとえば、面談が長引くと予想される生徒の後ろは空きコマにしておくことなどが考えられます。
なお、目視にて確認して、問題がなければ[処理3]まで飛びます。
⑥ 微調整(移動)
移動先コマが決まっていない場合:
移動させたいコマに入力されている[o]または[p]を削除します。
すると、移動可能コマの色が変わります。
移動先を選択して[o]を入力します。
⑦ 微調整(入れ替え)
移動先コマが決まっている場合:
移動させたいコマに[o]を入力します。
すると、重複しているコマの色が変わります。
入れ替え候補をすぐに見つけることができます。
⑧ プレビュー
なお、微調整中は[処理]シート内にプレビュー画像が表示されます。
⑨ 日程表確定
すべての微調整を終えたら[設定]シートに戻り[処理3]日程表確定をクリックします。
すると、新規ファイルに出力されます。フォントの種類やサイズ、罫線の有無など自由に加工することができます。
別ファイルに書き出しされるため、関数破壊などの心配なく安心です。
加工後は、Word文書などに貼付して生徒・保護者にお知らせできます。
操作の説明は以上です。
4.最後に
冒頭にも述べましたが、Webアンケート機能による面談調整のオンライン化が推奨されています。
推奨されている通りに実践したが、配布・回収までは楽になったけど調整が大変と感じている先生も多いかと思います。
マクロを使わずとも、標準機能の「区切り位置」や「文字列の置換」、VLOOKUP関数などをうまく活用すれば、ある程度の効率化はできると思います。
この『面談日程調整エクセル』は、そういった標準機能やVLOOKUP関数で行っている作業をPCにやらせているので、より効率化の効果を得られます。
マクロを使って標準機能や関数をより良い形で活用することで、より効率的に面談日程調整を実行しています。
ぜひ、以下リンクよりサンプルをそれぞれコピー、ダウンロードして試してみてください。
※サンプル版は[設定]シートの日程表仮完成の実行回数が各1回までに制限されています。
※開発環境はWindows10,Excel365です。